2022 年 27 巻 2 号 p. 148-152
急性期脳内出血の内部にspot signと呼ばれる造影CT (Computed Tomography) での点状造影効果がみられることがある.今回,われわれは被殻出血のspot signが,血管撮影にてレンズ核線条体動脈の仮性瘤を疑った症例を経験した.Spot signは,出血血管からの血管外漏出と認識されることが多い.近年はCT検査の精度向上に伴い,血管撮影を外科的加療前に行わないことも多くなってきている.脳出血の責任血管からの血管外漏出の所見とされるspot signのなかには,本症例のように仮性瘤を疑う場合もあり注意が必要である.