2016 年 33 巻 2 号 p. 276-279
進行期のParkinson病患者の療養状況を調べる目的で過去4年間に当大学病院を受診していたHoehn&Yahrの臨床重症度分類Stage4とStage5の患者113名を対象に症状,加療や通院の状況,療養の内容や社会制度の利用状況を後ろ向きに調査を行った.進行期の重症Parkinson病患者では移動が極めて困難であるために通院が困難となるが,当院では訪問診療と並行した診療体制が整備されていないことや,介護認定の取得がHoehn&Yahrの臨床重症度分類Stage4の患者では70.0%,同分類Stage5の患者では88.2%であったことに比し身体障害者手帳を有している患者の割合は臨床重症度分類Stage4の患者では38.4%,Stage5の患者では66.7%と少なく,社会資源の利用状況実態を把握する必要性があると考えられた.外科治療後の患者の割合が高く,術後管理の必要性も兼ねて高度専門病院である大学病院に通院している可能性が考えられた.進行期のParkinson病患者の療養環境を整えるために今後も療養上の問題点を明らかにする必要があると考えられた.