神経治療学
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原著
東京都の人工呼吸器装着中の孤発性筋萎縮性側索硬化症患者の 人工呼吸・栄養療法の導入状況と療養環境の変化  ―2006年度と2012年度の臨床調査個人票の比較を通して―
板垣 ゆみ川田 明広松田 千春原口 道子小倉 朗子中山 優季
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2017 年 33 巻 6 号 p. 646-651

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抄録

2006年度と2012年度の難病医療費助成申請時の臨床調査個人票を用い,人工呼吸器装着中の孤発性筋萎縮性側索硬化症患者の人工呼吸・栄養療法の導入状況と療養環境を比較した.その結果,人工呼吸器装着者,特に非侵襲的換気療法(non–invasive ventilation, NIV)装着者が増加した.NIVと気管切開下侵襲的換気療法(tracheostomy with invasive ventilation, TIV)導入までの期間が短縮し,TIVの装着期間は63.7ヶ月と長くなった.また,胃・腸ろうの造設率は増加した.在宅療養者が増加したが,NIV患者への往診率は43.9%と低かった.発症6年以内の患者に限定した比較では,人工呼吸器導入は6割以上が発症後2年以内で,7割以上が胃・腸ろう導入より先だった.以上より,長期TIV患者の療養環境の構築と維持,およびNIV患者の緊急時対応と終末期緩和ケアが充実した在宅医療体制整備の必要性が示唆された.また,比較的高齢患者が急速に進行することから,発症初期から進行を把握し,療養支援体制を確立する必要性が明らかになった.

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© 2017 日本神経治療学会
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