神経治療学
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症例報告
末期腎不全患者へのceftriaxone sodium投与により急性意識障害と四肢の粗大な不随意運動を呈した抗菌薬関連脳症の1例
村瀬 翔酒井 宣明長野 清一権 泰史
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2021 年 38 巻 2 号 p. 123-126

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抄録

症例は81歳男性.高血圧性腎症による末期腎不全があり維持透析中であった.慢性心不全の増悪に伴う急性肺水腫が出現し,混合感染予防目的にceftriaxone sodium(CTRX)の静注を2g/日で開始したところ,投与後5日目から急性意識障害と四肢の粗大な不随意運動が出現し,抑止不能であったため,一時,鎮静および人工呼吸器管理を要した.血液検査,脳脊髄液検査および頭部画像検査では原因となる異常所見を認めなかった.CTRXによる抗菌薬関連脳症の可能性を疑い,CTRXの投与を中止したところ,症状は徐々に改善し,投与中止後12日目で完全に消失した.症状出現時の血清中CTRX濃度は307.0µg/mlと高値であり,抗菌薬関連脳症に矛盾しないと考えられた.CTRXは,高度腎機能障害時に常用量を連日投与した場合,精神神経症状を呈することがあるため,注意が必要である.

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© 2021 日本神経治療学会
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