2022 年 39 巻 3 号 p. 404-407
【目的】高齢発症てんかんは少量の抗てんかん薬で発作抑制効果が高いことが知られているが,その詳細は明らかでない.今回,当院での高齢発症てんかんにおける治療上の特徴を中心に報告する.【方法】てんかん専門外来に通院歴のある高齢発症てんかん患者54例に対して,てんかん症候群,てんかん発作型,病因,抗てんかん薬の種類・平均用量,継続率と中断理由,発作抑制率を評価した.【結果】側頭葉てんかんによる焦点意識減損発作が最も多く,器質的異常のないものが過半数を占めた.単剤投与例が多くいずれも少量の投与で,継続率は比較的高かった.中断理由はふらつきや傾眠などの有害事象が多かった.12ヶ月間の発作抑制率は94%であった.【考察】少数例の検討であるものの,高齢発症てんかんは少量の抗てんかん薬で発作抑制効果が高いことが証明された.治療においては有害事象に注意し,抗てんかん薬を少量から開始することが重要である.