2026 年 43 巻 3 号 p. 387-395
目的:従来治療で効果不十分な全身型重症筋無力症(generalized myasthenia gravis:gMG)に対し補体阻害薬(complement inhibitors:CIs)が使用され始めたが,実臨床においてCIs同士を比較した報告は限られている.本研究では,当院でCIsを使用したMGの臨床的特徴および治療反応を検討した.
方法:2019年4月から2025年5月までにCIsを導入した抗アセチルコリン受容体抗体陽性gMG患者21例を後ろ向きに解析した.ravulizumab導入群13例,zilucoplan導入群8例について,臨床背景,MG重症度スケール,入院回数等を比較した.
結果:zilucoplan群はravulizumab群と比較して重症例が多かったが,26週までに両群でMG重症度スケールの改善を認めた.26週時点でminimal manifestationを達成した症例はravulizumab群4例,zilucoplan群3例であった.MG増悪による入院回数は両群で有意に減少した.一方,ravulizumab群4例,zilucoplan群3例で投与が中止された.
結論:CIsはgMGにおいて症状改善や入院回数減少などの臨床的有用性を示す一方,治療反応性には個人差が存在する.