口腔顎顔面外傷 : 日本口腔顎顔面外傷学会誌
Online ISSN : 2434-3366
Print ISSN : 1347-9903
臨床症例
Fungal Ball Development due to a History of Trauma
外傷既往に起因して上顎洞真菌球が発症した1例
鳥養 武弘助川 信太郎神野 真理花井 伶永田 将太郎羽場 礼次三宅 実
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2026 年 24 巻 2 号 p. 65-71

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抄録
【緒言】上顎洞内真菌球の形成が歯科治療に起因するとされる文献は散見されるが顎顔面外傷術後に起因する症例はほとんどみられない。
【症例の概要】症例は48歳女性,28年前の顎顔面骨折に対し観血的整復及びプレート固定をされていた。その後8年間に渡り鼻症状を認め繰り返し抗菌薬を処方されていたが改善は認められず当科紹介来院した。初診時は鼻汁を認めるが口腔内症状は無く,パノラマにて右側上顎洞内不透過像とCTでは右側上顎洞内の異物様病変と小石灰化物を認めた。
プレート撤去後に右側上顎洞前壁を開窓し病変摘出した。病理組織診断によりアスペルギルス症および真菌球と診断された。
【考察】石灰化所見はアスペルギルス症の特徴であり本症例でも鑑別の一助となった。本症例の真菌球は外傷時に迷入した異物,骨折治療時に使用したプレートあるいは骨片,または抗菌薬の長期投与に起因すると考えられ,顎顔面外傷後に鼻症状を認めた場合は長期的な経過観察と精査が必要である。
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