歯科薬物療法
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発育期のODSラットの頭蓋骨, 下顎骨および長管骨に及ぼす短期間のアスコルビン酸欠乏の効果
松本 昌世山田 一弘新井 通次戸苅 彰史伊藤 率紀宮島 邦彰飯塚 哲夫
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1996 年 15 巻 1 号 p. 27-32

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抄録
アスコルビン酸 (AsA) 欠乏食で4週間維持された13週齢の雄性ODSラットは, 著しい血漿AsAレベルの低下およびわずかであるが有意な体重の減少を示したが, 頭蓋骨, 下顎骨あるいは脛骨の形態的変化はみられなかった.AsA欠乏によって生じた骨減少は, 頭蓋骨および下顎骨と同様に脛骨において認められた.しかし, 骨の乾燥重量および灰分重量の比較から評価されたAsA欠乏の効果は, 頭蓋骨あるいは下顎骨に比べ脛骨において顕著であった.このことは, 頭蓋骨および下顎骨の皮質骨に比べ長管骨の海綿骨が高い代謝回転を有するので, それぞれの骨代謝回転の違いの結果であると考えられる.大腿骨の皮質骨の機械的特性のパラメータは, AsA欠乏により著しく低下した.これらの知見は, AsA欠乏状態の皮質骨が灰分量および乾燥重量のわずかな低下であるにもかかわらず脆くなることを示している.
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© 日本歯科薬物療法学会
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