体力科学
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発育期におけるステップテストとローレル指数の意義について
小野 三嗣坪田 修三尾谷 良行山下 富士男倉田 博岩垣 丞恒高橋 基泰
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1967 年 16 巻 1 号 p. 10-20

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抄録
Rohrer Index及びstep test scoreを指標として, 小学生並びに中学生の発育追跡上の問題点につき, 前報に引きつづく実験を行い, 大要次の如き結果を得た。
1) 中学1年生では, 台高を増加し, 重量物を保持させるということで, 運動負担量を増大させても, step test scoreは低下しない。
2) 中学3年生では, 重量を負荷することによって運動負担度を増大させるとstep test scoreは低下する。
3) 平均Rohrer指数から, 標準偏差値の2倍の範囲をこえるものの実数は, 年度に関係なく, +の方向にこえるものの方が多い。
4) 平均的には最近ますますRohrer指数が低下する傾向がみられるが, 反面Rohrer指数が異常に大きなものがみられる。
5) 中学3年末現在のRohrer指数と過去のそれとを比較した場合, 男子では7才で相関なく, 11才から高度の相関がみられるが, 女子では9才から相関度が高くなる。
6) 特別にプログラムされたサーキットトレーニングを課した中学生では, 対照群に比して, 平均Rohrer指数が低下している。この場合中学入学と同時に始めた群の方が, 2年以降になって始めた者よりも効果が大きく, 小Rohrer指数群よりも, 大Rohrer指数群に対する効果の方が著しい。
7) 中学3年生についてRohrer指数の100以下群, 標準群, 150以上群3群の血圧, step test scoreを比較したところでは, 血圧に有意差なく, step test scoreは標準群が最もよく, 100以下群150以上群ともに劣っていた。100以下群と150以上群間には差がない。
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© 日本体力医学会
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