体力科学
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垂直跳及び立幅跳の練習効果に関する筋電図学的研究
小野 三嗣高橋 泰光木村 一彦原田 邦彦生田 香明宮本 洋子笹部 桂子
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1967 年 16 巻 2 号 p. 45-56

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抄録

体育科学生男女5名の被検者について垂直跳及び立幅跳を連続2ケ月間測定を行うと同時に大腿直筋, 大臀筋, 大腿2頭筋及び腓腹筋の筋電図をの記録し, 本実験終了後3ケ月の休止期を置いて再検査を行った結果, 大要次の如き結果を得た。
1) 2ケ月連続的に計測を反復した結果, 立幅跳の記録は増加したが, 垂直跳は大きな変動を認めなかった。3ケ月の休止によっては両者とも跳躍記録の低下をみとめなかった。
2) 主動4筋の跳躍時活動開始時点及び最大収縮到達時点の配列順序は計測反復によって一定の形に変化していくという現象は認められない。
3) 主動4筋の筋収縮時間の統計は短縮する傾向を示した。
4) 垂直跳では大腿直筋と腓腹筋の最大収縮到達時点の差が大きくなるほど跳躍高が減少した。立幅跳ではこのような関係がみとめられない。
5) 垂直跳では跳躍記録が良い場合は, 悪い時に比較して筋収縮時間には大きな変化を認めないが, 収縮開始から最大収縮に達するまでの時間が短縮する。特に大腿2頭筋の収縮のパターンが最も大きく変化する。
6) 立幅跳では好記録の場合の方が著しく筋収縮時間が短縮しており, 最大収縮到達時点の4筋間の配列順序も若干変化している
7) 垂直跳では跳躍高を最大から2/3, 1/3へと減少させると主動4筋の活動順序に大きな変化がおこる。筋収縮時間は最大から2/3へ向っては減少するが, 2/3と1/3との間では変化しない。
8) 立幅跳では跳躍幅を最大から2/3, 1/3へと減少させるに従って正比例的に筋収縮時間が減少するが, 主動4筋の活動順序系列には変化があらわれない。

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© 日本体力医学会
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