体力科学
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夏時間制と生活時間について
大下内 章
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1952 年 2 巻 1 号 p. 1-3

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抄録

1) 自由時闇については, 夏時間切換え前後に於て推計学的に有意の差が認められなかつた。併し夏時間の初期におけるよりも終期になつて自由時間の短くなる事は5%危險率で有意である。
2) 睡眠時間は夏時間より正常時間への切換え前後に於て, 夏時間における延長が1%以下の危險率で有意であつた。
3) 拘束時間, 半拘束時間については, 切換え前後における差異が殆んどない。
4) 自由時間及び睡眠時闇の分布状態は, 夏時間に於て正常時間におけるより不規則な生活を推定せしめ, 自由時間の分布曲線から疲労の増大を思わせるものがある。
5) 以上の結果から, デパート從業員に対して夏時間制は不良の影響をあたえているものとは認め難い。しかしどちらかといえばよくない事を思わせる点もあるので, 今後更に檢討を要する。

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