体力科学
Online ISSN : 1881-4751
Print ISSN : 0039-906X
ISSN-L : 0039-906X
幼児の有酸素の作業能に関する研究 (I)
吉沢 茂弘石崎 忠利本多 宏子
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 24 巻 2 号 p. 37-44

詳細
抄録
5~6才の園児, 男子46名, 女子39名, 合計85名を対象として, グランド走による最大酸素摂取量の測定を中心として, 25メートル走, 50メートル走, 立巾跳, 筋力及び5分走をも測定し, 次のような結果を得た。
1.体重当りVo2 maxについてみると, 男子は49.46ml/kg/min, 女子は46.30ml/kg/minとなっており, そこには有意の性差がみられ, 女子の男子に対する比率は93.6%であった。
2.5分走においても男子が女子を有意差をもって凌駕していたが, 1回目と2回目の測定値の相関をみると, 男子r=9044, 女子ではr=.7757となり, 再現性は男子が女子よりも高かった。
3.体重当りVo2maxと5分走の間には, 男子ではr=.4170で有意の相関がみられたがが, 女子ではr=0486で全く相関はみられなかった。
4.絶対値Vo2maxと体重の間には男子ではr=.8986, 女子ではr=.5626でともに有意性がみられたが, 男子は女子よりもかなり高い相関を示した。
5.絶対値Vo2 max (1/min) の体重 (kg) に対する回帰直線をみると, 男子ではy=.051x-.025, 女子ではy=.024x+.408となっており, 両者の交点は体重16.04kgにあり, 男子は女子の2.1倍という勾配の大きさであった。
著者関連情報
© 日本体力医学会
次の記事
feedback
Top