体力科学
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上体おこしの呼吸循環機能に及ぼす影響とその性差について
小野 三嗣渡辺 雅之池田 道明原 英喜湊 久美子
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1981 年 30 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
年齢20歳から34歳までの健康な男子31名と女子36名を対象とし, 上体おこしを疲労困憊に到るまで行わせた時の呼吸循環機能に対する影響と酸素消費量に関する実験を行い, 概ね次のような成績を得た。
(1) 疲労困憊に到る回数の少ないグループの場合は最大血圧上昇度, 心拍数の増加度, 呼吸数の増加度には性差が認められなかった。
(2) 疲労困憊に到る回数の多いグループの場合は, 呼吸数の増加度には性差が認められなかったが, 最大血圧の上昇度, 心拍数の増加度ともに男子の方が著しかった。
(3) 疲労困憊に到る回数の少なかった者と多かった者との比較で, 男子の場合後者の方が最大血圧上昇度, 心拍数増加度が前者よりも大きかったが, 女子では何の差違も見られなかった。
(4) 男子では血圧上昇度の大きな群はその小さな群より心拍数の増加度も有意に大きかったが, 女子ではそのような関係は認められなかった。
(5) エネルギー代謝率は4.7~13.5程度の差が認められたが, 疲労困憊に到る時間が短かい者の方が大きなエネルギー代謝率を示す傾向にあった。
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