体力科学
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リュックザック麻痺の起因に関する研究
舟橋 明男
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1985 年 34 巻 1 号 p. 11-26

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抄録

リュックザック麻痺の起因を, 1) 単純レ線像によりショルダーストラップの位置, 2) ショルダーストラップ面下の圧迫力, 3) 圧迫部周辺の局所解剖の面より考察した.
腕神経叢麻痺の起因は, リュックザックの荷重がショルダーストラップを介して, 体幹に作用し, それが鎖骨周辺より中枢側では牽引性外力を主として作用し, 烏口突起より末梢では圧迫性外力として圧迫することにより起るものと考えた.長胸神経麻痺は長胸神経が第2肋骨の前鋸筋結節突出部を通過する地点での牽引力の集積, 時にはストラップによる直接圧迫と考えた.
(本論文の要旨は第36・38回日本体力医学会, 第7・11回日本体力医学会四国地方会, 第186回徳島医学会, 第2回運動生理・バイオメカニックス中四国セミナー, 1984Olympic Scientific Congressにおいて発表した.)
稿を終えるにあたり, 御指導, 御校閲を賜わりました徳島大学医学部医学科第一生理学教室, 岡芳包前学長, 宮本博司教授に深く感謝の意を捧げるとともに, レ線撮影をはじめ, 終始直接の御指導を賜った当教室の坂東栄三博士に深謝いたします.また, 系統解剖中に観察と計測の御許可と御指導を頂いた高知医科大学医学部第一解剖学教室, 山本恵三教授および教室員の諸氏に深謝いたします.最後に, 御協力を頂いた第一生理学教室員の各位に心より感謝いたします.

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© 日本体力医学会
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