抄録
本研究は, サーモグラフィで上肢動的及び静的運動時の活動筋上, 非活動筋上の皮膚温を観察し, 次のことが明確になった.
1.サーモグラフィは, サーミスタ素子による測定法より詳細に広範囲な運動時の皮膚温動態を得ることができた.
2.動的運動時のサーモグラフィによる観察から, 非活動筋上の皮膚温は運動初期に低下を示したが, 活動筋上の皮膚温は上昇が観察された.
3.静的運動時の場合, 運動初期の低下は非活動及び活動筋上の皮膚温で生じた.
4.静的運動時, 前腕部皮膚温の低下は, 運動強度が大きくなるとあらわれ, それと同時にその低下範囲が拡大する傾向にあった.