抄録
本研究は, 身体トレーニングの内容の差異が赤血球性状, 特に赤血球2, 3-DPGに及ぼす影響について検討し, 同時に有酸素的作業能力との関連について考察した.
1) 有酸素的作業能力 (VO2max/w, O2 pulse max) は3グループ間で有意に異なっていた (Group1>Group2>Control) .
2) 赤血球性状では, Group1, 2のRBC, Hb及びHctはControl群に比べ低い傾向にあった.また赤血球恒数ではGroup1が他の2グループに比べ低値を示し, MCH, MCHCにおいてその差は有意であった.赤血球2, 3-DPGはGroup1, 2がControl群に比べ有意に高い値であった.
3) 赤血球容積の分布曲線において, Group1の曲線はGroup2, Control群のそれに比べ全体的に左方へ移行し, Group1には容積の小さい小赤血球が多く存在していた.
4) 赤血球2, 3-DPGとVO2max/wとの間には, 3グループを合せた全体において有意な正の相関関係が見られた.またGroup1だけにおいても有意な相関関係が認められた.