抄録
加齢による膵外分泌機能の低下を持久的運動習慣によって防ぐことが可能か否か検討する目的で, 老齢ラットの膵酵素活性について持久的走トレーニング (傾斜角度15%, 走行スピード22m/分, 5日/週, 10週間) による影響を観察した.若齢群, 老齢群ともトレーニングラットにおいて血中トリグリセリドは有意に低値を示し, 両群とも持久的なトレーニング効果が観察された.膵の体重当たりの湿重量, 蛋白含量, アミラーゼ, リパーゼ活性は, コントロールラットにおいて, 若齢群に比較して老齢群で著しく低値を示した.老齢群ではトレーニングラットでこれらのいずれの項目も有意に高い値を示した.