体力科学
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青年男女における隠れ肥満者の頻度と形態的及び体力的特徴
藤瀬 武彦長崎 浩爾
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1999 年 48 巻 5 号 p. 631-640

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抄録

本研究では, 男子学生1278名及び女子学生707名を対象に形態及び体力測定を行い, 青年男女における隠れ肥満者の頻度を明確にするとともに形態的及び体力的特徴について検討した.
1) 男性及び女性における隠れ肥満者の頻度はそれぞれ5.4%及び13.6%, また肥満者における隠れ肥満者の頻度は30.4%および66.2%であった.女性は男性の約2.5倍の隠れ肥満者が存在し, 肥満者における隠れ肥満者の頻度も女性の方が約2.2倍多かった.
2) 男性の形態は, 対照群と隠れ肥満群の間に一定の傾向が認められなかった.しかし, 女性ではBMIが21以上23未満の隠れ肥満群で胴囲及びWHRが対照群より有意に高値を示した.
3) 男性の体力は, BMI20群の背筋力及び握力, BMI22群の垂直跳び, BMI23群の背筋力, 及び立位体前屈で隠れ肥満群が対照群よりも有意に低値を示したが, 女性ではBMI22群の反復横跳び以外に有意差が認められなかった.
4) 男性の運動能力は, BMI20群の50m走, 走幅跳び, 及び立ち幅跳び, BMI21群の50m走と走幅跳び, BMI22群の走幅跳び, BMI23群の50m走と立幅跳びで隠れ肥満群が対照群よりも有意に低値を示したが, 女性ではBMI22群の走幅跳び及びBMI23群の50m走以外に有意差が認められなかった.

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© 日本体力医学会
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