体力科学
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異なる速度での一過性の走運動とトレーニングに伴うラット骨格筋の熱ショックタンパク質発現量の変化
轟木 一弘杉浦 崇夫後藤 勝正内藤 久士吉岡 利忠
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2004 年 53 巻 5 号 p. 537-547

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抄録
本研究は, 10m/min, 20m/min, 30m/minの速度で8週間の走トレーニング (30分/日, 5日/週) を行わせたラットと, 同速度で一過性走運動 (30分間) を行わせたラットの足底筋とヒラメ筋のHSP72発現量, HSP60発現量を測定し, 走速度の異なるトレーニングによってHSP発現量が異なるかどうかについて検討した.
その結果, 一過性運動群では足底筋とヒラメ筋のHSP72は, 速度に関係なく増加した.また, HSP60は足底筋では速度に関係なく増加したものの, ヒラメ筋では変化が認められなかった.一方, 持久的トレーニング群では, 足底筋とヒラメ筋のHSP72とHSP60は, トレーニング速度が最も速い30m/分群で高い値を示した.これらの結果は, 持久的トレーニングに伴うHSPの発現は, 一過性運動とは異なり, 筋の種類にかかわらず高強度の走トレーニングのみで発現が増加することを示す.
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© 日本体力医学会
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