Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
Original Research
Self-perceived Burden on Families and Related Factors among Patients with Cancer Undergoing Outpatient Chemotherapy
Miwa AokiYoko MinamiguchiAkiko HatakeyamaYuki MorookaYukiko TatsumiNaotoshi NakamuraHarue Arao
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2020 Volume 15 Issue 2 Pages 91-99

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Abstract

【目的】外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の実態とその関連要因を明らかにした.【方法】がん診療連携拠点病院に通院中のがん患者を対象とした無記名自記式質問紙調査(n=1,981)より,外来化学療法患者(n=600)を抽出し,記述統計,単変量解析および多変量解析を行った.【結果】対象者の86.5%が家族への負担感を経験していた.多変量解析の結果,外来化学療法を受ける患者の家族への負担感の関連要因として身体的要因,社会的要因が明らかになった.身体的要因において,再発・転移があること,社会的要因において,40代以下,同居者あり,婚姻歴あり,仕事や経済面の悩み,家族や周囲の人との関わりに関する悩みが独立した関連要因であった.【考察】患者の家族への負担感の軽減のために,病状の進行に応じた心理的ケアおよび社会的背景に応じた支援の必要性が示唆された.

緒言

2017年に外来化学療法加算の算定基準を満たす施設数は,一般病院総数の約4分の1を占めるまでに増加し1),外来化学療法は広く普及してきた.また,支持療法薬,分子標的薬,免疫チェックポイント阻害薬などの薬剤の目覚ましい発展により,病状が進行しても外来化学療法を継続する患者が増えている.そのため,外来化学療法中のがん患者の多様なニーズに対応した看護支援を検討する必要がある.

外来化学療法中のがん患者は,副作用症状による身体的苦痛のみならず,不安や抑うつなどの精神的問題2,3),他者との関係性の変化4)といった心理社会的苦痛を体験している.とくに,人間関係や役割遂行に関わる社会的苦痛は,外来化学療法中のがん患者のQuality of Life(QOL)に影響を及ぼすこと5)も知られている.

外来化学療法中のがん患者の社会的苦痛において最も着目すべき課題は,家族との関係性である.齊田ら6)は,外来化学療法を受けるがん患者は,家族役割が遂行できないこと,残される家族へ迷惑をかけたくないとの不安や思いを体験していると報告している.加えて,外来療法を受けるがん患者の生活上のニーズには,「家族に負担をかけたくない」ことがあり7),外来化学療法中のがん患者の多くが家族への負担感を経験していると推察される.しかしながら,外来化学療法を受けるがん患者の家族に負担をかけているのではないかという思い(以下,家族への負担感)の実態に着目した研究はみられない.

本研究で用いる家族への負担感と同義の概念には,患者が家族や医療者などの他者に対して負担感を抱く体験である“Self-perceived burden”がある.Self-perceived burdenは,「自身の病気やケアの必要性が他者に影響を及ぼすことにより生じる共感的な心配であり,自責感,苦痛,責任感,自己評価の低下を引き起こすもの」8)と定義される.患者の病気やケアの必要性に伴って生じる感情であり,進行がん患者の約6~8割が軽度以上のself-perceived burdenを体験しているとの報告がある9,10).また,死を目前にした患者にとって他者に負担をかけるという思いは,コントロール感の欠如9),尊厳の喪失9,11),実存的苦痛12),終末期の最後の療養場所の選択の葛藤13)にも影響する課題である.このように進行がんや終末期がん患者を対象とした研究は多数みられるが,化学療法を受けているがん患者を対象とした研究は,造血器腫瘍患者の化学療法開始時の患者を対象とした報告14)のみである.

そこで,本研究は,外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の体験およびその関連要因を明らかにし,外来化学療法患者の家族への負担感を軽減する支援に示唆を得ることとした.家族の負担感は,患者の身体的機能のみならず,心理的,社会的な結果に対する懸念の結果として生じる15)との報告がある.そのため,家族への負担感の関連要因は,患者の身体的および社会的要因および,療養生活における悩みといった心理的側面から関連要因を明らかにすることとした.外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の実態を知ることで,家族への負担感を考慮に入れた外来化学療法患者への支援の必要性について認識する機会となる.加えて,家族の負担感の要因が明らかになれば,家族への負担感を抱く傾向のある患者をスクリーニングし,家族への負担感を軽減するための支援につなげることができると考える.

研究目的

外来化学療法中のがん患者が抱く「家族への負担感」の実態とその関連要因を明らかにし,外来化学療法中のがん患者への支援に示唆を得ることとした.

方法

本研究は,大阪府の第3期がん対策推進計画立案の基礎データとして,大阪府のがん患者が社会生活を送るうえで抱えている悩みやニーズとその対応について実態を把握する目的で実施した大阪府がん患者状況調査の一部である.

調査対象

大阪府内の国指定がん診療連携拠点病院17施設に入院・通院中の20歳以上のがん患者を対象とした.選定基準は,①がんと診断され,その診断を理解していること,②日本語の読み書きが可能であり,認知機能に問題がないこととした.なお,除外基準は設けなかった.

調査手順

2016年12月時点で,厚生労働省により大阪府の国指定がん診療連携拠点病院に指定されていた17施設を対象施設とした.対象施設には,研究者および大阪府からそれぞれ調査協力依頼状を送付した.施設より調査協力に承諾が得られた場合に,調査票,調査主旨説明書,返送用封筒,大阪府発行の『がんとわかったときからはじまる緩和ケア』のちらしを同封した調査資料一式235部(17施設合計3,995部)を各対象施設の担当者に郵送した.その後,対象施設において,対象基準を満たす診療科の病棟および外来を選定し,病棟または外来スタッフが対象者の候補となる患者に調査資料一式を配布した.2017年1~3月の調査期間内に全対象施設で配布した調査票の総数は3,622部であった.その後,回答を得た調査票は,返信用封筒を用いて患者自身に投函してもらい,郵送法により回収した.このとき,調査票の返答を得た場合に調査協力の同意を得たものとみなし,計1,981名の対象者から回答を得た(回収率54.7%).本研究では,回答の得られたもののうち,調査票内に記載した「調査票を受け取った場所」の項目において,外来化学療法室にチェックのあった600名の回答を分析対象とした.

調査項目

1)家族への負担感:「あなたは,がんになったことで家族に負担をかけていると思いますか?」との問いに,1(そう思わない)~5(非常にそう思う)の5段階評価で回答を得た.

2)対象者の背景:①身体的状況:化学療法以外の治療歴,再発・転移の有無,Performance Status(PS)の3項目について尋ねた.PSは,Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)に基づき,0(全く問題なく活動できる)~4(全く動けない) に該当する項目について回答を得た.

②社会的背景:年齢,性別,同居者,婚姻歴,がん診断後の経過月数の5項目について尋ねた.

3)療養生活における悩み:①身体的な悩み:病院・医師の選択,診断・治療,副作用・後遺症,在宅医療の4項目,②社会的な悩み:医療者との人間関係,心の問題,生き方・生きがい,仕事・経済面,家族・周囲の人との関わりの5項目の合計9項目について悩みのあり/なしで回答を得た.

分析方法

最初に,各項目について記述統計を行った.その際,家族への負担感は,1(そう思わない)~5(非常にそう思う)を,0(そう思わない)~4(非常にそう思う)の変数に置き換えた.

記述統計により家族への負担感の平均値および分布を確認したところ,「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した対象者の割合に着目し,家族への負担感の有無によって関連要因を明らかにする必要があると考えた.そのため,家族への負担感を0(そう思わない)~2(どちらともいえない)を[非負担感群],3(ややそう思う)~4(非常にそう思う)の回答を[負担感群]の2群に分けた.そのうえで,家族への負担感の要因を探索するために,図1に示す研究枠組みに沿って,家族への負担感である[負担感群][非負担感群]を目的変数,対象者の背景および療養生活における悩みの各項目を説明変数とした単変量解析,多変量解析を行った.

なお,対象者の背景は,年齢を「40代以下」「50代」「60代」「70代以上」の4群に分け,PSは「PS 0」「PS 1」「PS 2」「PS 3以上」の4群に分けた.また,がん診断後の経過月数は,「6カ月未満」「6カ月以上1年未満」「1年以上3年未満」「3年以上5年未満」「5年以上」の5群に,同居者は,「あり」「なし」の2群に分けた.また,χ2検定,Fisherの正確確率検定によりp≤0.3を示した変数を用いて,ロジスティック回帰分析を行った.その際,変数減少法を用いてp<0.1の変数選択を行った.

このとき,性別,再発・転移の有無,婚姻歴,同居者,療養生活における悩みに関する項目は,「あり」を1,「なし」を0としてダミー変数を作成した.加えて,年齢は「40代以上」「50代」「60代」をそれぞれ1,「70代以上」を0として,PSは「PS 0」「PS 1」「PS 2」をそれぞれ1,「PS 3以上」を0としてダミー変数を作成した.

なお,統計解析にはJMP® pro14.3.0(SAS Institute Japan)を用い,すべての有意水準は5%とした.

図1 研究枠組み

倫理的配慮

協力施設および対象者に対し,研究の主旨を文書で説明した.加えて,対象者には,参加は自由意思であり,不参加による不利益は被らないこと,調査票は無記名であり研究結果の公表時には個人が特定されないように配慮すること,データを厳重に管理・保存し,10年間の保管期間を終えた後に完全に破棄・消去することを説明した.

本研究は大阪大学医学部附属病院観察研究倫理審査委員会の承認を受けて実施した(承認番号:16376).

結果

対象者の概要

対象者の概要を表1に示す.対象者の平均年齢±標準偏差(SD)は64.5 ±10.9歳であり,男性246名 (41.0%),女性345名(57.5%)であった.また,対象者のがん種は,乳がん,結腸直腸がん,胃がん,肺がんの上位4項目で72%を占め,53.5%が再発・転移ありと回答していた.がん診断後の平均経過月数±SDは,37.7±50.6カ月(中央値:16.0カ月)であった.

表1 対象者の概要

外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感

1.外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の実態

対象者は,「あなたは,がんになったことで家族に負担をかけていると思いますか?」の問いに対して,「非常にそう思う」328名(54.7%),「ややそう思う」191名(31.8%),「どちらともいえない」31名(5.2%),「あまりそう思わない」21名(3.5%),「そう思わない」15名(2.5%)と回答した(図2).

「非常にそう思う」,「ややそう思う」と回答した『負担感群』は,全対象者の86.5%を占めており,約9割の患者が家族への負担感を体験していた.なお,家族への負担感の平均値±SDは,3.4±0.9であった.

2.外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の関連要因

外来化学療法中のがん患者の家族への負担感と対象者の背景および療養生活における悩みの関連について,単変量解析の結果を表2に示す.単変量解析において家族への負担感との有意な関連が認められた変数は,婚姻歴(p<0.001),同居者(p<0.001),仕事・経済面の悩み(p=0.001),家族・周囲の人との関わりの悩み(p=0.001)であり,すべてが社会的要因であった.

次に,多変量解析の結果より明らかになった,外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の関連要因を表3に示す.家族への負担感に関連していた身体的要因は,再発・転移あり(Odds Ratio; OR =1.98,95%信頼区間;95%CI=1.07-3.68, p=0.03)のみであった.副作用や後遺症などの身体的な悩みについては,独立した関連要因ではなかった.

また,社会的要因のうち,40代以下(OR=4.12, 95%CI=1.04-16.30, p=0.04),婚姻歴あり(OR=7.44,95%CI=3.07-18.03, p<0.001),同居者あり(OR=2.99, 95%CI=1.36-6.58, p=0.01)が家族への負担感の独立した関連要因であった.加えて,社会的な悩みのうち,仕事・経済面への悩みがあること(OR=2.36, 95%CI= 1.16-4.77, p=0.02),家族・周囲の人との関わりの悩みがあること(OR=2.31, 95%CI=1.13-4.71, p=0.02)が,家族への負担感の独立した関連要因であった.

図2 外来化学療法中のがん患者の家族への負担感(n=600)
表2 外来化学療法中のがん患者が抱く家族の負担感と対象者の背景および療養生活における悩みの関連(単変量解析)
表3 外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の関連要因(多変量解析)

考察

外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の実態

本研究は,外来化学療法を受けているがん患者の86.5%が家族への負担感を体験していることを明らかにすることができた.初回化学療法を受ける血液腫瘍患者のうち,中程度~高度の家族の負担感を体験していた患者が35%であったという先行研究14)に比べ,本研究の対象者はより高頻度に家族への負担感を体験していた.本研究の対象者は,乳がん,結腸直腸がんが半数を占め,がん診断後の平均経過月数が37.7カ月という長期の治療経過を辿った患者層であり,継続的に外来化学療法を受ける患者の家族への負担感の特徴を見出すことができた.

また,緩和ケア病棟に入院中の進行がん患者の少なくとも77%が軽度以上の家族の負担感を経験していた9)との報告に比べても,本研究の対象者の家族への負担感の割合が高かった.本研究の結果より,家族への負担感は,終末期に限らずがん治療中の患者も高頻度に体験する感情であることが明らかになった.医療者は,外来化学療法中のがん患者が,家族の負担感を体験しているということを念頭に置いて関わる必要がある.

外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感に関連する身体的要因

外来化学療法患者の抱く家族への負担感の関連要因のうち,身体的要因は,再発・転移ありのみであった.化学療法中の再発・転移がん患者は,経済面や役割を果たせないことなどの家族への負担の気がかりを抱えているとの報告があり16),本研究はその体験を裏付ける結果となった.

また,本研究では,がん診断後からの経過月数は家族への負担感の独立した関連要因ではなかった.そのため,本研究の対象者が体験していた家族への負担感は,治療経過や治療期間の長さが影響しているのではなく,病状の進行に影響して生じていると考えられた.医療者は,患者に再発・転移に伴う病状変化がみられた場合に,患者の家族への思いを聴取したうえで,心理的ケアを行う必要がある.

一方で,先行研究で明らかにされた家族への負担感の関連要因のうち,PSの悪化14,17,18)や,倦怠感,疼痛,嘔気,呼吸困難感の身体症状9,14)は,本研究では関連要因であると示すことはできなかった.その理由として,外来化学療法患者は,PSが3以上になると治療の中断を検討される場合が多いが,本研究の対象者は治療中の患者であり比較的身体機能が保たれていたためであると考えられた.また,本研究は,対象者が経験している副作用症状を把握する調査項目がなかったため,今後は副作用症状との関連性を把握し,家族への負担感と身体的要因との関連について新たな知見を見出す必要があると考えられた.

外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感に関連する社会的要因

外来化学療法を受ける患者の家族への負担感の関連要因として,40代以下,婚姻歴あり,同居者ありといった患者の社会背景が明らかになった.本研究の対象者となった外来化学療法中のがん患者の家族への負担感は,身体的要因に比べて社会的要因が大きく影響していると考えた.なかでも,40代以下の若年者が家族への負担感を体験しているという点は今までに報告されておらず,本研究において特記すべき結果である.とくに,40代以下の若年のがん患者は,子育てや親の介護など家族の発達段階において重要な役割を担うことが多い.そのため,このような患者のライフステージに応じた支援を検討していく必要があると考えた.40代のがん患者に着目した場合には,仕事をしながら治療を受ける患者の約6分の1を占めている19)と報告されており,家庭内の経済的役割を担っていると推測できる.本研究では,仕事や経済面の悩みがあることも家族への負担感の関連要因であったことから,仕事に関連した社会的役割の変化に伴い,家族への負担感が増強した可能性がある.そのため,外来化学療法を受けながら,就労をしている若年のがん患者への支援を強化することが家族の負担感への軽減につながると考えられた.

また,家族との同居者がいることや,婚姻歴があることが,家族への負担感の独立した関連要因であった.この結果は,先行研究9,20)と一致していた.療養場所が自宅である外来化学療法患者にとって,家族の存在が治療の継続の動機付けになると考えられる.その一方で,身近にいる家族と生活を送るなかで,自身の役割が担えず家族との関係性にも影響を及ぼす可能性がある.先行研究においても,外来化学療法を受ける患者と家族の関係性に葛藤を抱いている21)との報告もされている.家族・周囲の人との関わりの悩みがあることも,家族への負担感の関連要因となっていたことから,家族との関係性を含めた支援が求められる.医療者は,患者の社会的役割や家族構成などの社会的背景をもとに,患者を含めた家族全体を包括的にアセスメントする必要がある.加えて,家族との役割分担や家族関係の調整を行い,治療を受けながらも患者らしい生活が送れるように支援することも家族への負担感の軽減につなげることができると考える.

本研究の限界と今後の課題

本研究の限界として,以下の4点が挙げられる.1点目に,本研究は「家族」を定義せず,対象者からの回答を得た点である.対象者がどのような家族をイメージするかによって,得られる回答が異なった可能性がある.今後,本研究結果を一般化するためには,家族の操作的定義を明示する必要がある.

また,2点目として,家族への負担感を1項目の質問で評価しており,家族への負担感を適切に測定できていない可能性がある.今後は,家族への負担感を測定する既存の尺度を利用し,家族への負担感をより多角的な視点から検討する必要がある.

3点目は,本研究の対象施設は,大阪府内のがん診療連携拠点病院17施設であり,その地域性やがん診療連携拠点病院独自の機能によって回答に偏りが生じている可能性がある.4点目として,各施設の調査票配布数と回収率にばらつきがあったため,回答に偏りが生じている可能性がある.そのため,今後は対象施設を増やすことで,より一般化した結果を導くことができると考える.

結論

本研究では,外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感を明らかにした.本研究の対象者の86.5%が,家族への負担感を体験しており,がんの進行にかかわらず家族への負担感の軽減に向けた支援の重要性を示すことができた.また,外来化学療法中のがん患者が抱く家族への負担感の関連要因は,身体的要因として再発・転移があること,社会的要因として40代以下,同居者あり,婚姻歴あり,仕事や経済面の悩み,家族や周囲の人との関わりに関する悩みが明らかになった.これらの結果より,外来化学療法を受けるがん患者の家族への負担感を軽減するために,がんの進行に応じた心理的ケアの重要性が示唆された.加えて,同居者や婚姻歴などの社会的背景に目を向け,患者が治療を受けながらも患者らしい社会生活が送れるよう,患者および家族への支援の必要性が示唆された.

謝辞

本研究にご協力いただきました対象者の皆様,関係施設の皆様に深く御礼申し上げます.

本研究は,平成28年度大阪府がん患者状況調査の一部であり,第32回日本がん看護学会学術集会(幕張)で発表した.

利益相反

著者の申告すべき利益相反なし

著者貢献

青木は,研究の構想およびデザイン,研究データの分析・解釈,原稿の起草に貢献;荒尾,南口,畠山は,研究の構想およびデザイン,研究データの収集・分析・解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献;師岡,辰巳は,研究データの分析・解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献;中村は,研究データの解釈,原稿の重要な知的内容に関わる批判的な推敲に貢献した.すべての著者は投稿論文ならびに出版原稿の最終確認,および研究の説明責任に同意した.

References
 
© 2020 by Japanese Society for Palliative Medicine
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