日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ミヤコグサ根粒で発現するSNARE遺伝子の検索
*野村 美加MaiThu Ha平島 慶彦竹川 薫浅水 恵理香田畑 哲之田島 茂行
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p. 216

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抄録
SNAREタンパク質群は分泌タンパク質輸送において重要な役割を担っており、細胞小器官の膜上に異なるt-SNAREが局在し輸送小胞に局在するv-SNAREが特異的に結合することによってタンパク質を目的の場所へ輸送するのに必要と考えられている。
根粒菌はマメ科植物と共生することで根粒を形成し窒素固定を行う。この根粒形成において新しい感染領域特異的細胞が作り出される。我々はこれら細胞分化形成過程に必要となるSNAREタンパク質を検索することを試みた。まず分裂酵母で知られている様々なSNARE遺伝子のアミノ酸配列をカズサDNA研究所のミヤコグサESTクローンと相同性検索を行った。その結果12種類の遺伝子が酵母のSNARE遺伝子高い相同性を示した。この12種類の遺伝子の一部をプローブにしてノーザンブロットを行った結果、2つの遺伝子(Sn6, GEN03)が根粒で強い発現を示した。この2つの遺伝子は互いに95%以上の相同性を示し、酵母のSed5タンパク質と相同性が高かった。In situ ハイブリダイゼーションの結果、非感染細胞で強い発現を示した。このタンパク質がなぜ非感染細胞で発現しているのか疑問であり、根粒形成で強い発現を示す非感染細胞に局在する2つの遺伝子について今後さらに検討していかなければならない。
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© 2003 日本植物生理学会
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