日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ハプト藻におけるベタイン脂質DGCCの生合成
*小林 由枝鳥居 紋子足立 恭子加藤 美砂子
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p. 31

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抄録
 1,2-diacylglyceryl-3-O-hydroxymetylcholine (DGCC)はハプト藻に普遍的に存在するベタイン脂質のひとつである。我々は、ハプト藻におけるDGCCの生合成経路を明らかにすることを目的に研究を行っている。14C-標識化合物を用いたトレーサー実験により、DGCCの前駆体はエタノールアミンを介したコリンであり、極性基のトリメチルアンモニウム基はコリン経由であることが示唆された。シダやコケ、緑藻などに存在するベタイン脂質である1,2-diacylglyceryl-O-4'-(N,N,N-trimethyl)homoserine (DGTS)の極性基はメチオニンから合成され、脂質に結合した状態で3段階のN-メチル化が進行してトリメチルアンモニウム基が形成されると報告されている。従って、DGCCの極性基はDGTSと全く異なる経路で合成されると考えられる。現在、13C-標識化合物の投与とNMRによる解析を行い、極性基に存在するカルボキシル基の生合成を検討している。
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© 2003 日本植物生理学会
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