日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ヒトリボソーム生合成前駆体のプロテオミクス解析
*早野 俊哉柳田 光昭高橋 信弘
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p. S66

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抄録
多くの細胞機能はタンパク質単体ではなく、タンパク質複合体により担われている。従って、様々な細胞機能を解明するための第一歩は、タンパク質複合体の構成因子を単離し、同定することと言える。近年のプロテオミクス解析の進歩に伴い、複雑なタンパク質複合体の解析が可能となりつつある。本講演ではその一例として、ヒトリボソーム生合成前駆体のプロテオミクス解析についての成果を紹介する。
 リボソームは、多種のタンパク質トランス因子および低分子核小体RNAが関与する非常に複雑な過程を経て合成される。そのため、従来の手法による解析は困難であり、特に哺乳動物におけるリボソーム生合成過程の理解は遅れている。そこで、われわれはプロテオミクスの手法を用いて生合成前駆体を解析することで同過程の解明を進めている。いくつかのトランス因子に注目し、タグを用いたプルダウン法によりヒト培養細胞から各トランス因子を含むリボソーム生合成前駆体を単離した。これら前駆体の構成タンパク質をnano LC-MS/MSおよびMALDI-TOF/MSにより同定した結果、各トランス因子がリボソーム生合成過程のどの段階に関与するのかを明らかにすることができた。最も複雑なタンパク質複合体の例であるリボソーム生合成前駆体の解析への有効性が示されたことで、今後プロテオミクスの手法が様々な細胞機能を担うタンパク質複合体解析に大きく貢献するものと信じている。
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© 2003 日本植物生理学会
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