日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ラン藻 Synechocystis sp. PCC 6803 におけるH2O2-ストレスシグナル伝達系の網羅的解析
*兼崎 友山本 宏Kalyanee PaithoonrangsaridMaria Shoumskaya林 秀則鈴木 石根村田 紀夫
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p. 054

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抄録
バクテリアや植物の細胞内シグナル伝達に関わる因子として二成分制御系(ヒスチジンキナーゼ及びレスポンスレギュレーター)のタンパク質群が知られているが、我々はラン藻Synechocystis sp. PCC 6803の二成分制御系の遺伝子群を個別破壊したライブラリーを用い、H2O2ストレスシグナルの伝達に関与する因子の同定をおこなった。その結果、5つのヒスチジンキナーゼ(Hik33、Hik2、Hik34、Hik16、Hik41)及び3つのレスポンスレギュレーター(Rre1、Rre17、Rre26)を同定した。H2O2ストレスにより発現が強く誘導される遺伝子の70%がこれらの二成分制御系により制御されていた。また、Hik33は低温、塩、高浸透圧など、他のストレスの検知にも関わるが、今回得られた結果から、Hik33がRre26とRre31という二つのレスポンスレギュレーターをストレスに応じて使い分けていることが明らかになった。H2O2ストレス下ではHik33-Rre26が主要なシグナル伝達系を構成し、一群の遺伝子の発現を制御するが、塩および高浸透圧ストレス下ではHik33-Rre31が主要な系となる。これらの結果から、シグナルのクロストークを介した複雑な情報伝達系の存在が明らかになった。
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© 2005 日本植物生理学会
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