抄録
我々は、シロイヌナズナで葉に斑入りを生じる突然変異体var1及びvar2に着目し、それらを通して葉が斑入りを起こすメカニズムについて解析を進めている。原因遺伝子VAR1及びVAR2は、それぞれが別のFtsHと呼ばれるATP依存型メタロプロテアーゼ(FtsH5及びFtsH2)をコードする。FtsH2とFtsH5はチラコイド膜で複合体を形成し、光阻害を受けた光化学系IIの修復サイクルに関与すると考えられる。シロイヌナズナには12種のFtsHホモログが存在し、そのうちFtsH2とFtsH5を含めた9個が葉緑体に局在するが、FtsH2とFtsH5の欠損のみが斑入りを示し、他の遺伝子の欠損で斑入りは観察されない。このようなFtsH遺伝子の冗長性が一因となり、var1 var2ではアルビノや致死には至らず斑入りを生じると考えられるが、なぜ斑入りのセクターを生じるかは明らかでない。斑入りを起こす正の制御因子を遺伝学的に同定するため、var2のT-DNA挿入アリルであるvar2-6をEMS処理し、M2世代で斑が回復したように見えるサプレッサーを単離して解析を進めている。今回は、それらサプレッサー系統の1つであるsv2.52の光阻害における特性及びマッピングついて報告する。