抄録
抗酸化剤であるGSHは低温ストレスで発生する活性酸素を消去し、その結果、植物の寿命を延ばすと一般的に考えられている。しかし、今回我々はトルコギキョウの老化におけるGSHの矛盾した作用、つまり促進効果について示す。この植物は、低温処理なしでは老化が誘導されないが、GSHの添加によって低温処理なしでも老化が促進された。GSH合成阻害剤であるbuthionine sulfoximine(BSO)は生長速度を減少させずに低温誘導性の老化を完全に阻害した。その阻害はGSHの添加により回復したが、他のチオール化合物では回復しなかった。低温処理した植物に様々な濃度のGSHを処理すると、濃度依存的に内生GSH量が上昇し、老化が早まった。このことから、GSHが特異的にトルコギキョウの老化を制御し、その制御には不可欠であること、そして、その結果として寿命を短くすることが示唆される。