日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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低温及び冠水ストレス下のイネ幼苗ではADC及びODC遺伝子はそれぞれ異なる制御を受ける
*秋山 高
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p. 371

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抄録
植物のポリアミン含量と環境ストレスとの関連についてはすでに多くの報告がある。我々は独自に、発芽7日目のイネ幼苗(ゆきひかり)に対して、低温、塩、乾燥、浸透圧、冠水などの環境ストレス処理、並びにABA、ethephonなどの植物ホルモン処理を行い、ポリアミン含量の変化をHPLCを用いて調べた。その結果、環境ストレスの中では低温及び冠水によって、ポリアミンの一種プトレシンの含量が顕著に増加することを突き止めた。また、植物ホルモン処理では、ABAによってプトレシン含量が著しく上昇することが分かった。プトレシンの生合成には、アルギニン脱炭酸酵素(ADC)あるいはオルニチン脱炭酸酵素(ODC)が関与することはよく知られている。我々は、環境ストレスで誘導されるプトレシンの蓄積に関与する遺伝子を特定するため、RT-PCR法によってイネのADC遺伝子及び ODC遺伝子を単離し、その非翻訳領域を利用して作製した遺伝子特異的プローブを用いて発現解析を行った。その結果、ADC遺伝子は低温によってその発現が特異的に増大することが判明した。一方ODC遺伝子は冠水及びABA処理に対して応答し、その発現量が増加することが分かった。以上の結果から、イネ幼苗の低温ストレス処理によるプトレシン含量の増加においてはADC遺伝子が、冠水ストレスやABA処理によるプトレシン含量の増大ではODC遺伝子が、それぞれ主要な役割を果たすことがはじめて明らかになった。
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© 2005 日本植物生理学会
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