日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ATB2遺伝子の過剰発現による矮化と標的遺伝子の同定
*西内 巧増田 大祐山口 和男
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p. 603

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抄録
トリコテセンは植物病原菌であるFusarium属などが生産するファイトトキシンで、植物への感染時に病原性因子として作用することが示唆されている。その一種であるT-2 toxinの投与により矮化したシロイヌナズナで発現が上昇した遺伝子には、多くの防御遺伝子や5つの異なるタイプに属する転写因子も含まれていた。これらの中のbZIP typeのATB2遺伝子についての逆遺伝学的な解析について報告する。ATB2遺伝子の過剰発現株では発現量に比例して地上部の矮化や根の伸張抑制が起こり、特に高発現では著しい矮化が見られ、高発現によって致死になったと思われる個体も見られた。マイクロアレイを用いて、野生株と遺伝子発現の比較を行ったところ、AtbHLH38, 39遺伝子などbHLH familyに属し、互いに極めて相同性の高い3遺伝子が含まれていた。これらの遺伝子は、Dof familyに属するOBP3遺伝子の過剰発現株で高発現する遺伝子として報告されているおり、また、OBP3遺伝子の過剰発現株の表現型は、ATB2遺伝子の過剰発現株と酷似している。現在、ATB2遺伝子によるこれらの標的遺伝子の発現調節機構について解析を進めている。一方、ATB2遺伝子のT-DNA挿入変異株では、T-2 toxinによる生育阻害が緩和されたことから、ATB2遺伝子がトリコテセンによる矮化に関与している可能性が示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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