抄録
我々は緑色蛍光タンパク質(GFP)でペルオキシソームが可視されたシロイヌナズナを親株として変異処理を行い、GFPの蛍光パターンが親株と異なるapm (aberrant peroxisome morphology)変異体を多数選抜し、ペルオキシソームの形成機構の解析を進めている。
apm2およびapm4突然変異体は、GFP蛍光がペルオキシソームとサイトソルで検出されることからPeroxisome targeting signal 1 (PTS1)経路のタンパク質輸送効率が低下した変異体であると考えられる。興味深いことに両変異体ではPTS2輸送経路の効率も低下しており、APM2およびAPM4タンパク質はPTS1、PTS2両輸送経路に共通な因子であることが示された。このタンパク質輸送効率および植物個体の成長抑制はapm4変異体がapm2変異体に比べて著しく低下していた。マッピングの結果、APM2、APM4遺伝子は、ペルオキシソーム形成に関与するとされるPEROXIN13 (PEX13)およびPEX12に相同性のあるタンパク質をコードしていることが明らかとなった。免疫電子顕微鏡観察の結果、PEX13タンパク質はペルオキシソームに局在し、また、酵母2ハイブリッドの結果から、PTS2レセプターであるPEX7と相互作用することが判明した。現在、PEX12の細胞内局在性についても解析を行っている。