日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

メタボリックエンジニアリングによるイネ種子CoQ10含量の増加
*高橋 咲子荻山 友貴島田 浩章川向 誠門脇 光一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 444

詳細
抄録
コエンザイムQ(CoQ)は生物に普遍的に存在する物質で、呼吸鎖の電子伝達系の成分であり、また脂溶性の抗酸化物質である。CoQはベンゾキノン骨格とイソプレノイド側鎖より構成される。イソプレノイド側鎖長は生物種によって異なり、その長さは側鎖合成反応を行うプレニル2リン酸合成酵素の特性により決定される。また、アラビドプシスのプレニル2リン酸合成酵素はERに局在することが報告されている。我々は、Gluconobacter suboxydansのデカプレニル2リン酸合成酵素遺伝子(ddsA)をイネのミトコンドリアで発現させることにより、イネのCoQ側鎖長を9から10に改変することに成功した。形質転換イネの葉及び種子においては、内在性酵素により合成されるCoQ9はほとんど蓄積せず、ほぼCoQ10のみが蓄積していた。さらに形質転換イネの種子においては、通常のイネ種子と比べ総CoQ量(CoQ9+CoQ10量)が2-3倍に増えていた。これらの結果から、イネにおけるCoQ合成には、イソプレノイド側鎖部分をミトコンドリアにおいて合成する方が、本来の局在部位であるERで合成するよりはるかに効率的なことが明らかとなり、代謝改変を行う際、ノンネイティブな部位における外来酵素の発現が有効であることが示された。
著者関連情報
© 2006 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top