日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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phot1はシグナル伝達因子NPH3とRPT2の青色光依存的な転写後調節を制御する
*間山 智子中野 道治藤澤 紀子岡田 清孝酒井 達也
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p. 543

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抄録
シロイヌナズナにおいて、phototropin(phot1とphot2)は光屈性の青色光受容体として機能している。NPH3とRPT2 はBTB/POZ、NPH3ドメイン、およびcoiled-coil構造の三つのよく似た構造をもつ相同性の高いタンパク質であり、scaffold タンパク質としてphototropinの下流でシグナル伝達因子として機能していることが示されている。しかし、これらの生化学的解析はほとんど行われていなかった。今回我々は、NPH3が暗所および赤色光下でリン酸化されていること、青色光依存的に脱リン酸化されることを示した。一方RPT2タンパク質は青色光により蓄積が誘導されること、NPH3とは異なり暗所および赤色光下でのリン酸化が見られないことを示した。また、青色光依存的なNPH3の脱リン酸化およびRPT2の蓄積といったこれらの転写後調節にはphot1が必須であるが、phot2は関与していないことを明らかにした。さらに、NPH3とRPT2のin vivoでの結合を調べたところ、青色光依存的に結合能が上昇することを示唆する結果を得ている。また、青色光を照射した黄化芽生えにおけるRPT2の発現を詳しく観察した。以上の結果から、NPH3とRPT2の光屈性における機能と制御機構について考察したい。
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© 2006 日本植物生理学会
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