日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネdu3遺伝子の発現と機能解析
*松田 康之高崎 彩一色 正之佐藤 光島本 功
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p. 853

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抄録
イネにおいてアミロース生合成に関与するWaxy遺伝子は2種類の対立遺伝子座WxaWxbが存在する。ジャポニカについてはWxbが存在し、インディカWxaの発現量の約1/10に減少していることがコメの食味の違いの原因となっている。WxaWxbの発現量の違いについては、第1イントロン5’スプライス部位の共通配列の1塩基置換によるスプライシング効率低下によるものと判明している。
ジャポニカイネの金南風から作出された低アミロース変異体dulldu)はWaxy遺伝子と異なる5つの遺伝子座(du1du5)の存在が報告されている。我々はdu3についてmap-based cloningを行い、Cap-binding complexを構成するCap-binding protein 20kD subunit(CBP20)を原因遺伝子として同定した。du3の低アミロースの原因としてWaxy遺伝子の転写後経路における何らかの関与が考えられる。そこで我々はdu3の表現型を解析し、アミロース含有量及びWXタンパク量はWTの約1/2に減少しており、さらにmRNA発現量の解析によって、WTと比較してスプライシング効率が低下していることが判明した。近年、CBP20がスプライシングに関与することを示唆した研究結果が複数報告されていることから、CBP20はWxb mRNAのスプライシングに関与していることが示唆される。
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© 2006 日本植物生理学会
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