抄録
葉緑体で酸化ストレス耐性を示す植物はUV-B耐性になるのではないかと考え、シロイヌナズナでパラコート耐性突然変異体を単離したところ、それはオゾン高感受性突然変異rcd1(Overmyer et al., 2000; Ahlfors et al., 2004)の対立遺伝子だった(rcd1-2)。rcd1-2は短期のUV-B照射に対して耐性で、凍結ストレスにも耐性が若干高かった。また、UV-B遮蔽色素やアントシアンの含有量も増加していた。葉緑体型Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼやストロマ局在型アスコルビン酸ペルオキシダーゼのmRNAレベルが上昇していることがパラコート耐性の原因と考えられる。RCD1は転写調節に関わると予想されるCEO1タンパク質(Belles-Boix et al., 2000)をコードしていることを考えると、RCD1は様々なストレス応答に対する構成的抑制因子であり、rcd1ではその抑制が解除されて様々なストレス応答が起こり、上述の表現型が生ずるのだろう。35Sプロモーターを用いてRCD1過剰発現体を作成したところ、同株はrcd1と野生型の間の中間的なオゾン感受性を示したが、パラコート耐性は示さず、rcd1-2のパラコート耐性を完全に相補した。さらに、RCD1の細胞内局在性をタマネギ表皮細胞の一時的発現で観察したところ、細胞核内でパッチ状に局在することがわかった。