日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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変異型Kaiタンパク質を用いた概日時計機構の解析
*北山 陽子杉浦 安奈寺内 一姫西脇 妙子近藤 孝男
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p. 0630

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抄録
多くの生物は昼夜の環境変動に適応するため、体内に約24時間周期のリズムを発生する概日時計を持っており、シアノバクテリアは概日時計をもつ最も単純な生物として知られている。これまでの研究からシアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942の概日リズム発生にはkaiABC遺伝子群が必須であり、試験管内でKaiA,KaiB,KaiCの3つのタンパク質をATPとともに混ぜるだけで、概日周期でKaiCのリン酸化振動が起こることがわかっている。これにより、KaiCのリン酸化サイクルが概日時計の本質であり、特にKaiCの生化学的活性が概日時計の本質であると考えられている。しかし、KaiA, KaiBが存在しない条件では概日リズムは観察されていない。そこで本研究では、KaiB点変異体および変異型KaiBタンパク質を作製し、シアノバクテリア細胞内および試験管内における概日リズムの表現型を測定し、概日時計機構におけるKaiBの機能の解析をおこなった。
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© 2009 日本植物生理学会
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