日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物免疫にはS-ニトロシル化とチオレドキシンによるNPR1の立体構造変化が必要である
*多田 安臣Spoel StevenPajerowska-Mukhtar KarolinaMou ZhonglinSong JunqiWang ChunZuo JianruDong Xinnian
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p. 0975

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抄録
細胞内酸化還元状態(レドックス)の変移は生物の免疫応答において重要な役割を演じているが、それに付随したシグナル伝達機構はほとんど明らかとなっていない。NPR1は疾病防御応答時に起動されるサリチル酸(SA)系路の鍵転写補因子であり、健常葉ではジスルフィド結合を介したオリゴマーとして細胞質に存在しているが、SA蓄積により活性型のモノマーが核へと移行することにより防御遺伝子を転写誘導する。今回、NPR1のCys156が一酸化窒素(NO)によってSNO化(S-nitrosylation)されることによりオリゴマー化が促進されることを明らかとした。同システイン変異体(npr1-Cys156-GFP)を用いた解析により、SNOによるオリゴマー形成は、SA誘導下でのNPR1タンパク質量維持のために必須であることが示唆された。逆にSAによるNPR1のモノマー化は、還元酵素であるチオレドキシン(TRX)により触媒されることを明らかとした。npr1-Cys156-GFP及びTRX変異体における病害抵抗性反応はいずれも抑制されることより、NPR1による疾病防御応答はNOとTRXの相反する作用により制御されていることが明らかとなった。
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© 2009 日本植物生理学会
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