日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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PCP論文賞 バラのフラボノイド合成経路を改変することにより、デルフィニジンを蓄積させ、花色を青く変化させることができた。
勝元 幸久福知(水谷) 正子福井 祐子Brugliera FilippaHolton TimothyKaran Mirko中村 典子米倉(榊原) 圭子戸上 純一Pigeaire AlixTao Guo-QingNehra NarenderLu Chin-YiDyson Barry津田 晋三芦刈 俊彦久住 高章Mason John*田中 良和
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p. A0004

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抄録
花の色はその花が含むアントシアニンにより主に決まる。多くの紫や青の花はデルフィニジン由来のアントシアニンを生産するが、バラにはデルフィニジンを合成するために必要なフラボノイド3’、5’-水酸化酵素(F3’5’H)がないため、紫や青の品種がない。アントシアニンの色は、コピグメントであるフラボノールやアントシアニンが局在する液胞のpHにも依存する。また、デルフィニジンの含有率を上げるためには、内在性のフラボノイド3’-水酸化酵素(F3’H)などとの競争も考慮する必要がある。数百品種のバラの中から、フラボノールが多く、フラボノイド3’-水酸化酵素活性が弱く、pHが高い品種を探索した。これらの品種でパンジーのF3’5’H遺伝子を発現させたところ、いくつかの系統でデルフィニジン含有率が95%に達し、花の色が従来のバラにはない青みを帯びた。さらに、バラの内在性のジヒドロフラボノール還元酵素(DFR)遺伝子の発現を抑制し、パンジーのF3’5’HとアイリスのDFR遺伝子を発現させた場合には、デルフィニジン含有率がほぼ100%に達し、花色が青く変化した。このバラの後代にもデルフィニジン100%という形質は受け継がれた。バラが新しい色素であるデルフィニジンを合成できるようになったため将来のバラの花の色はもっと多彩になることが期待される。
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© 2009 日本植物生理学会
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