日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ストリゴラクトン:シュートの枝分かれを制御する新しいホルモン
梅原 三貴久花田 篤志吉田 聡子秋山 康紀有手 友嗣武田ー神谷 紀子真籠 洋神谷 勇治白須 賢米山 弘一経塚 淳子*山口 信次郎
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p. S0002

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抄録
シュートの枝分かれは植物の地上部の形態を決定する主要な因子の一つであり、種々のシグナルによって厳密に制御されている。シュートの枝分かれを制御する植物ホルモンとして、オーキシンとサイトカイニンが古くから知られているが、枝分かれ過剰突然変異体の解析から新たな分枝制御ホルモンの存在が示唆されていた。これらの変異体には、カロテノイド酸化開裂酵素7と8(CCD7とCCD8)の欠損変異体が含まれることから、このホルモンはカロテノイドから合成されると推定されていたが、その実体は不明であった。我々は、イネのccd7およびccd8変異体において、テルペノイドの一種であるストリゴラクトンの生産量が顕著に低下していることを見出した。さらに、ストリゴラクトンを投与することにより、これらの変異体の過剰な枝分かれが抑制された。ストリゴラクトンは、根圏においてストライガなどの根寄生植物種子の発芽刺激物質として、またアーバスキュラー菌根菌の菌糸分岐促進物質として機能することが知られていた化合物群である。以上の結果から、ストリゴラクトンは、枝分かれ抑制ホルモンあるいはその生合成前駆体として地上部の形態を制御するとともに、地中で他生物とのコミュニケーション物質として機能すると考えられる。
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© 2009 日本植物生理学会
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