日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
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陸上植物における分化細胞と幹細胞間でのクロマチン修飾の違い
*倉田 哲也西山 智明宮脇 香織程 朝陽岩田 美根子大島 真澄長谷部 光泰
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p. S0053

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抄録
植物では、動物細胞と比べ分化細胞から多能性/全能性幹細胞へと分化転換させることが容易かつ高頻度にできる。本研究では、幹細胞への高い分化転換能を持つヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)をモデル系にして、その分子メカニズムを解明するためにクロマチン修飾と遺伝子発現に着目したゲノムワイド解析を次世代シーケンスシステムABI-SOLiDを活用して行っている。
幹細胞への分化転換過程での核の初期化(リプログラミング)に伴うクロマチン状態の変化を検出するために、特定のヒストン修飾についてのゲノムワイドなChIP-seq法を確立した。これまでに、活性化及び不活性化状態を示すヒストンH3の各種修飾について、茎葉体(分化細胞サンプル)、原糸体頂端細胞由来プロトプラスト(幹細胞サンプル)でのChIP-seq解析を進めた。現在、これらのサンプル間での各種ヒストン修飾変化について解析を行っている。また、全ゲノム遺伝子発現プロファイルを取得するために、シーケンスタグによるDigital Gene Expression(DGE)解析系も立ち上げ、高い再現性、マイクロアレイより広いダイナミックレンジを持つことを確認した。続いて、分化転換系での遺伝子発現プロファイルを取得した。これらの遺伝子発現情報とヒストン修飾の関係についても本発表で議論したいと考えている。
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© 2009 日本植物生理学会
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