日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナK+チャネルの輸送活性調節機構の検討
*佐藤 愛子佐藤 裕樹深尾 陽一朗藤原 正幸梅澤 泰史篠崎 一雄日び 隆雄谷口 光隆三宅 博後藤 デレック魚住 信之
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p. 0039

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抄録
様々な生物種のK+チャネルの輸送活性調節はリン酸化等の細胞質側のC末端領域の修飾やサイクリックヌクレオチドなど分子の結合によって行われていることが知られている。シロイヌナズナの孔辺細胞に局在する内向き整流性Shaker型K+チャネルKAT1は6回膜貫通タンパク質であり、細胞質側にサイクリックヌクレオチドが結合することが予測されるCyclic nucleotide binding domain (CNBD)配列を含むC末端領域を持つ。我々は、KAT1のリン酸化部位を野生型KAT1のC末端領域のペプチドを用いたIn vitroとIn gel kinase assay及び質量分析により同定した。さらに、アフリカツメガエル卵母細胞及び酵母発現系を用いたK+輸送活性測定の結果から、同定されたリン酸化部位が、K+輸送活性調節に重要な影響を及ぼすアミノ酸であることを見いだしている(Sato et. al. Biochem. J. 2009)。シロイヌナズナでは9種類のShaker型K+チャネルが同定されているが、このアミノ酸は全てのK+チャネルにおいて保存されていた。そこで、これらのK+チャネルについて保存されたアミノ酸のリン酸化とK+輸送活性調節に対する影響、さらには複数のシグナリング経路を介してKAT1のC末端領域がK+輸送活性を調節する可能性について考察する。
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© 2010 日本植物生理学会
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