日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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緑藻クラミドモナスのストレス応答をゲノムで見る:次世代シーケンサーを用いたゲノム発現データベースの構築
*福澤 秀哉久保 雄昭大和 勝幸鈴木 穣菅野 純夫伊藤 武彦谷口 丈晃黒木 陽子豊田 敦小原 雄治藤山 秋佐夫
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p. 0280

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抄録
植物のストレス応答をゲノムレベルで理解するために、我々は緑藻クラミドモナスの遺伝子発現データベースの構築を進めている。米国JGIによりmating type(+)株の核ゲノムのドラフト配列が公開されているが、112 Mbのドラフト配列のうち15,3 Mbの領域が未解読であり、染色体に組み込まれないscaffoldも存在する。我々はmating type(―)の株C-9について,8×BAC及び7×Fosmidライブラリーを作製し、その末端配列をドラフトゲノム配列にマップした。22個のscaffoldがBac・Fosmidクローンのブリッジにより染色体構造のギャップ領域に組み込まれた。様々なストレス処理を施した細胞から完全長cDNAライブラリーを作製し、両末端配列を決定した。既知のESTと共にゲノム配列上にクラスタリングした結果、16,004クラスターが形成された。様々な栄養源欠乏ストレスや光合成基質であるCO2の濃度変化に応答する遺伝子を同定するために,各種処理した細胞から単離したmRNAをIlumina GAIIxを用いて網羅的に解読した。これらのゲノムリソース及びトランスクリプトーム情報は、Kyoto Chlamydomonas Genome Database (KCGD)に搭載し、公開する予定である。http://chlamy.pmb.lif.kyoto-u.ac.jp/
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© 2010 日本植物生理学会
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