日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第51回日本植物生理学会年会要旨集
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ポプラのジベレリン生合成系酵素遺伝子の解析
*伊ヶ崎 知弘渡辺 由美子辻井 伊久美小嶋 美紀子榊原 均篠原 健司
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p. 0820

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抄録
ジベレリン(GA)は、高等植物の発芽や伸長成長、開花時期の制御等を行う植物ホルモンである。我々は、遺伝子組換え技術により、ポプラのGA合成量を制御し、成長量を調節できると考えている。高等植物では、GA12以降のGAの酸化に、2-オキソグルタル酸要求型酸素添加酵素ファミリーに属する酵素が関与している。そこで、我々は、シロイヌナズナなどの高等植物の既知の配列情報や既存のポプラゲノム情報を利用し、GA20ox、GA3ox、C19GA2ox、C20GA2oxの4つのクレードに分類される酵素遺伝子をポプラから網羅的に単離することに着手した。その結果、合計28の候補遺伝子が単離され、その系統進化学的解析の結果、GA3oxクレードに属する遺伝子が最も少なかったが、それでも4種類の遺伝子が存在していることが判明した。そこで、各クレードの遺伝子が重複して存在する根拠を探るため、ポプラの生育ステージや器官・組織ごとでの遺伝子発現の差違や活性型のGA3で処理した場合での遺伝子発現の変化を解析した。また、内生GAパターン等についても解析を行った。この他、各遺伝子を過剰に発現する組換えシロイヌナズナや組換えポプラを作出し、その表現型等についても現在、解析を行っている。
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© 2010 日本植物生理学会
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