抄録
シンク葉の維管束篩部を構成する篩要素(SE)と伴細胞(CC)は、一次原形質連絡を介して連結しシンプラストを形成している。一方、葉のソース化に伴い小脈の篩部では、SE-CC間の細胞壁に二次原形質連絡が形成される。しかし、このような二次原形質連絡の形成メカニズムや、糖転流経路構築における生理学的意義はよくわかっていない。我々は、シロイヌナズナのロゼット成熟葉特異的に糖を蓄積する変異株rsx1 (restricted sucrose export1)では、SE-CC間の細胞壁に不完全な二次原形質連絡を形成することを見出している。細胞壁の中葉部にはペクチン層が存在し、細胞接着の役割を果たしていること、RSX1はシロイヌナズナに27個存在するペクチン酸リアーゼのひとつであることより、SE-CC間の細胞壁中葉のペクチン層を分解し二次原形質連絡の形成を促進する可能性が考えられた。このようなRSX1の機能を証明する上で、RSX1の細胞内局在を明らかにすることは重要である。本研究では、rsx1変異株をRSX1-sGFP融合タンパク質で相補した形質転換体において、融合タンパク質の発現部位を共焦点レーザー蛍光顕微鏡を用いて観察した。