抄録
根粒菌とマメ科植物の共生成立には、根粒菌のリポ多糖(LPS)が重要な要素であることを示す報告は多い。しかし、植物による細菌のLPS認識機構は未解明である。動物では、リポ多糖結合性タンパク質(LBP)が、細菌由来のLPSと複合体を形成し、自然免疫を活性化する。ミヤコグサゲノム上でLBP遺伝子を探索し、LjLBP1, 2, 3, 4の4種を同定した。本研究では、根粒菌との共生における植物のLBPの機能解明を目指し、LjLBPsの発現を解析した。
NH4Cl 0.5 mMを与えて栽培したミヤコグサを根粒非着生体、根粒菌を接種し栽培したものを根粒着生体とし、葉、茎、根、根粒ごとに解析した。各組織のLjLBPの発現量を根粒非着生体と根粒着生体で比較すると、どのLjLBPも根粒着生体での発現量が低く、特にLjLBP3/4の発現量は著しく低かった。また、ミヤコグサで病徴を示す植物病原菌2種または根粒菌を根に接種し、0h、4h、10h、24h後の発現を解析したところ、LjLBP3/4はいずれの菌接種でも4hで発現量上昇が見られた。LjLBP発現抑制変異体の根粒着生についても報告する。