2003 年 8 巻 1-2 号 p. 17-21
信号検出理論を用いて、対人遠隔作用実験における受信者の信号弁別力の指標を推定した。実験は1試行10秒とし、受信者は送信者からの信号の有無を判断した。熟練武道家4人(男性3人、女性1人)を被験者として計1280試行実験した結果、全的中数は668試行(p=0.0588, 片側)となり、受信者の弁別力指標d'の平均値は0.092で、95%信頼区間は[0.167, 0.016]であった。このことから、対人遠隔作用の信号の有無の弁別は、通常の感覚刺激の弁別に比べて非常に困難であることが確認された。