2013 年 52 巻 6 号 p. 306-315
航空機LiDARデータを利用して森林バイオマス地図を作成し,その精度を評価した。神奈川県横浜市の全域,面積437.4km2の範囲を対象とした。まず,対象地域の森林50地点において調査プロットを設定し,毎木調査を実施した。この地上調査の結果から,樹高と林分材積との関係を示すアロメトリ式を構築し,航空機LiDARデータへ適用することで横浜市の森林の地上バイオマスを示す地図を作成した。この地図の空間分解能は5mである。アロメトリ式の作成に使用しなかった一部の地上調査データを利用して森林バイオマス地図の精度を評価したところ,自乗平均平方根誤差(RMSE)は60.6Mg ha-1,平均相対誤差は38.7%であった。今回作成した地図から,横浜市における森林の地上バイオマスの合計は913,450Mgと推計された。本研究により,広域の森林バイオマスの分布を観測する目的には航空機LiDARを利用することが適していることが示された。