2016 年 55 巻 5 号 p. 314-320
脆弱的な地域を検出するのは森林資源管理にとって重要である。本研究では,大興安嶺地域の環境脆弱状況を記述するために,リモートセンシングデータとGISを用いて,環境脆弱性指標を構築した。露出度,感度と生態系の適応能力に関係する13個の変数を選び,空間主成分分析によりそれら総合的指標として統合した。その総合指標によれば,大興安嶺地域において,環境脆弱性は空間的に偏在していた。環境脆弱性の最大値は南部と中央部で約0.8を示していたが,一方,最小値は東部地域で0.012を示していた。この総合的脆弱性を5つの水準に分けて,環境脆弱性の分布図を作成した。この分布図は,より合理的な意思決定のための基礎情報を提供し,森林管理のために資するものと考えられる。