2017 年 56 巻 4 号 p. 137-142
本研究ではウェブカメラから得られた時系列画像を活用し,ヨーロッパのアルプス山脈における草地の緑化時期を研究した。土地条件の緑化時期への影響を調べるため,八つの対象地域は標高(832-2338m),斜面と土地利用(放牧,放牧と草刈り)が異なる。Greenness Indexをカメラの時系列画像から計算,それにスプライン曲線をあてはめることにより滑らかな時系列データを形成し,そしてその一次導関数を用いて緑化時期を推定した。結果,草地の緑化時期は標高から大きく影響を受けており,また土地利用の影響が考えられた。さらに2015年には緑化時期の移行が見られたが,その年の気温が特に高かったことから影響されたと考えられ,今後の研究が必要とされる。