2021 年 60 巻 4 号 p. 195-199
昨今のフォトグラメトリ手法によるデータ制作はPCスペックの進化により,飛躍的に計算速度が上がったことで,高価なPCを必要とせずとも,実施が可能になった。ソフトウェアも買い切り型の高価な物だけでなく,個人でも活用できる価格帯になり,併せて撮影装置もより高解像度に進化し,より高品質で再現性の高いデータ生成が,実現できるようになった。それにより,エンターテイメントやアカデミック・デジタルアーカイブ領域における手法の活用は日々拡張しており,それらのジャンル以外にも,より高再現性,計測寸法精度を求めるインダストリーなど,幅広い用途での活用が模索されている。
我々の運営する人体スキャンスタジオ,(SUPERSCANSTUDIO/http://www.superscanstudio.com/)においても,データ活用目的はVR/ARなどを介したエンタメ方向に限定されず,アパレル・スポーツなどでのフィッテングや流動解析など,製造開発領域でも多角的に活用がなされている。弊社のスパースキャンスタジオがこれまで手掛けているインダストリー活用事例を紹介しながら技術面を考察する。