抄録
リモートセンシングは環境調査の一手法として, 短時間に広範囲の情報を収集できるという威力を発揮している。河川, 海域での実測およびサンプリング作業は多大の労力の投入を必要とし, リモートセンシングによって調査の効率化を図り, さらに常時のモニターシステムの確立まで発展させていくことが望まれる。そのための基礎段階として, 水質指標と映像との間の対応関係について検討を行なった。
主としてマルチバンド写真の撮影とグランドトルースによって, 有機質に関係する汚濁に対しては近赤外域の写真濃度情報との間に良好な相関があり, 洪水時のような無機的な土質を多量に含む濁水に対しては, Redバンドの写真濃度情報との間に高い相関のあることが見い出された。