写真測量とリモートセンシング
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宇宙からのリモートセンシング
John H. McEloy
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1985 年 24 巻 3 号 p. 33-41

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抄録
多くの波長帯を用い, 多くの異った現象を対象とした, 宇宙からの地球観測は, 人類の地球に対する理解を飛躍的に進歩させた。多くの国において, この宇宙からの地球観測に基づき, 新しい分野が生みだされ, 気象, 陸水, 海洋, 地質, 農業, 気候, 地球力学, 太陽と地球の相互作用そしてその他の多くの分野において全面的な変更が押し進められた。今や, これらのどの分野においても宇宙から観測されたデータを無視することはできない。現在でも, 宇宙リモートセンシング・システムは進歩しつづけており, これにより素晴しい結果が得られている, また, 宇宙リモートセンシング・システムは単に学際的であるだけでなく, もっと国際的な技術の一つになってきている。世界は既に多くの国の人工衛星でつながっており, 次の10年以内にさらに多くの人工衛星の打上げが予定されている。米国の宇宙計画の中で生まれた宇宙リモートセンシングは, 今や, 「宇宙は全人類の利益のために開発されるべきである」という考えのもとに推進されている。将来, 国際地球物理年や地球気象実験などをモデルにした国際地球圏生物圏計画とでも呼ばれるような新しい国際計画ができるのは避けがたいことである。この気運は, 宇宙リモートセンシング・システムによる地球観測の進歩によるものであり, また, そのような国際計画ができることにより逆に宇宙リモートセンシング・システムが発展するだろう。
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© 社団法人 日本写真測量学会
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